VOLUME 002 / VISION
中抜き図鑑 ← トップ
VOL. 002 · VISION DOCUMENT

民間版・
公正取引委員会を、
市民が、つくる。

あらゆる商品・サービス・取引の実名と適正価格を網羅し、 常時リサーチ・検証し、消費者が検索できる形で公開する。 多層中抜きを暴き、価格を是正する社会インフラ —— 世界に存在しないこのカテゴリを、日本から立ち上げる。

I.
マニフェスト

価格の不透明性は、
日本最大の社会コスト。

日本人は、自分が何にいくら払っているのか、ほとんど知らずに生きている。 葬儀の棺の原価、結婚式のドレスの仕入値、建設下請の中抜き、人材派遣のマージン、保険の損害率 —— いずれも消費者の意思決定に決定的な情報なのに、業界は「セットプラン」と「相見積り禁止」と「即決圧」によって透明化を阻んできた。

知らないから、払い続ける。
この構造が、年間¥27兆規模の中抜きを許している。

公正取引委員会は、独占禁止法違反の事後対応に特化した行政機関だ。 事業者間の取引を扱い、消費者の日常価格には踏み込めない。 消費者庁は啓発が中心で、リアルタイムの価格監視機能を持たない。 報道機関は単発記事を出すが、データベース化と継続検証はしない。

——「価格を、市民の側から監視する常設機関」が、日本に存在しない。

中抜き図鑑は、その空白を埋める。 全業界・全商取引・実名・継続検証・検索可能。 消費者は「これは買って良いか」を3秒で判断でき、業界は「説明できる価格」を強いられる。 結果として価格は是正され、産業は健全化し、可処分所得は増える。

これは、メディアではない。社会インフラである。

II.
射程

あらゆる「払う」行為を、
データに変える。

DIMENSION 01

業界軸

消費者が金を払うすべての業界。ライフイベント・住居・労働・医療・金融・保険・通信・小売・飲食・教育・交通・エンタメ・建設・冠婚葬祭・公共調達。 初期128業界 → 完成形は約1,200細分カテゴリ

DIMENSION 02

企業軸

上場企業全社(約4,000社)+主要非上場(約20,000社)+業界別主要事業者。 各社プロファイルに業界中央値との比較・利益率・公開価格表・本人申告枠・反論枠を実装。

DIMENSION 03

取引軸

単一企業ではなく、取引の連鎖を可視化。 建設業の元請→4次下請、人材派遣の派遣元→派遣先、商社の中間流通、PFアプリの開発者→Apple→ユーザー。 中抜きは点ではなくで起きている。

既存サービスとの違い

サービス 扱う情報 深さ 継続検証 中抜き構造 立ち位置
食べログ店の評価×店舗レビュー
価格.comEC価格×EC比較
Glassdoor給与・口コミ×労働市場
公正取引委員会違反処分事後規制
ProPublica(米)調査報道単発記事
中抜き図鑑価格・原価・中抜き深 × 全業界既存カテゴリ無し
IV.
検証エンジン

「正しい情報」を、
機械と人で常時担保する。

4層の検証フロー

  1. L1
    自動収集レイヤー
    EDINETから上場企業全社の有報・四半期、政府オープンデータ、CCUS、公取委処分公告、官報、各社IRサイトを毎日クロール。財務指標・粗利率・セグメント別売上を自動構造化。
  2. L2
    AI査読レイヤー
    LLMが過去データとの矛盾、出典の整合性、計算ミスを検出。業界中央値からの逸脱が3σを超える場合は人手レビューに自動エスカレーション。
  3. L3
    専門家レビュー網
    業界別の専門家(会計士・弁護士・元社員・ジャーナリスト)100名以上のレビュアー網。重要案件は2名以上の独立レビュー必須
  4. L4
    クラウド検証
    ユーザー・元従業員・現役業界人からの投稿を匿名で受付。2名以上の独立投稿+出典文書でしか公開しない。内部告発者保護(公益通報者保護法準拠)を明文化。

データ品質グレード

すべてのデータポイントに信頼度ランクを付与し、表示する。

A確証あり

公開IR・公式価格表・行政処分等、一次出典で確認可能。

B推定値

業界中央値・回帰モデル・複数情報源からの推定。計算式公開。

C投稿(検証済)

2名以上の独立投稿で裏付け済。出典は秘匿、要旨を開示。

D未検証 — 非公開

単一情報源のみ。サイト上には表示しない

EDIT HISTORY

全データポイントにWikipedia型の編集履歴。誰がいつ何を変更したか永久保存。

V.
6フェーズ

段階的に深く潜る。

01

業界中央値レイヤー

M0-3 / 訴訟リスク 極小

128業界の中央値マージン・原価率を公開。実名は出さず「業界として」を扱う。現在のプロトタイプ範囲。

02

上場企業IRレイヤー

M3-9 / 訴訟リスク 小

EDINET経由で上場全社(約4,000社)の有報を構造化。セグメント別粗利率、業界中央値との比較、利益率推移を実名で公開。すべて公知の事実のため訴訟リスクは限定的。

03

プラットフォーム手数料の網羅

M6-12 / 訴訟リスク 小

Apple・Google・Uber・Booking・Airbnb・楽天・Amazon・メルカリ・出前館・YouTube等、公式規約から手数料率を抽出・横断比較。時系列で値上げ履歴を追跡。

04

業界別マップ × 本人申告

M9-18 / 訴訟リスク 中

建設・葬儀・人材・結婚・不動産で業界マップを構築。業者側に「価格を自己開示」する申告枠を提供。「透明な業者だけ得をする」逆ブランドが成立。

05

内部告発・元従業員データ

M18-30 / 訴訟リスク 高(管理可)

匿名投稿の本格運用。Glassdoor型のクラウド検証エンジン。2名以上の独立投稿+出典文書を必須化、編集評議会の事前承認制で訴訟リスクを管理。

06

公的データ連携 × AIリアルタイム監視

M30-60 / 訴訟リスク 中

国交省CCUS、公取委処分DB、消費者庁、金融庁、地方自治体の落札情報、東証適時開示と連携。AIが「価格の異常値・新たな中抜きスキーム」をリアルタイム検出。

VI.
建設業
DEEP DIVE · 多層中抜き

元請¥1億の工事、
最終労働者には
¥4,000万しか届かない。

建設業の多層下請構造は、日本の中抜きの最深部。 元請から1次・2次・3次・4次……と階層が下がるたびに10-20%が抜かれ、 最終的に現場で働く技能者の賃金は、元請受注額の40-50%程度に圧縮される。 しかも、この構造を消費者(発注者)も労働者も把握できない

¥100,000,000 元請受注 → 各層の取り分
元請(ゼネコン) ¥100M100%
1次下請 ¥90M▲ 10%中抜
2次下請 ¥72M▲ 累計 28%
3次下請 ¥58M▲ 累計 42%
4次下請 ¥46M▲ 累計 54%
現場労働者賃金 ¥30-40M最終 30-40%

⚠ 国交省『下請取引等実態調査』、専門工事業の実態調査ベースの推計。階層数・中抜き率は工事種別・地域で大きく変動。

PROBLEM

なぜ可視化されてこなかったか

  • × 下請契約は二者間の私的契約 → 発注者は2次以下を見られない
  • × 元請は階層数を意図的に隠す(管理責任を回避)
  • × 技能者個人にとって「いくら抜かれているか」を確認する術がない
  • × 国交省の調査は集計値止まり、企業実名・個別工事は出ない
  • × ジャーナリストの単発報道はあるが、データベース化されていない
SOLUTION · 中抜き図鑑が作る

重層下請け可視化マップ

  • 元請企業ごとに「平均下請け階層数」「最終労働者取り分推定」を表示
  • ✔ 公共工事の落札情報・積算情報(公開)から構造を逆算
  • ✔ CCUS(建設キャリアアップシステム)160万人技能者と将来連携
  • ✔ 技能者・元従業員からの匿名投稿を2名検証で採用
  • ✔ 公取委・国交省の処分歴を企業プロファイルに紐付け
VII.
統治

営利と公益を、
同時に成立させる。

BODY 01

運営会社

株式会社中抜き図鑑(仮)。事業運営、技術開発、営業、マネタイズを担う。IPOまたはエグジット可能な法人格。

BODY 02

編集評議会

経済学者・元記者・弁護士・消費者団体代表 計7名。編集方針・公開可否・訂正判断の最終権限を持つ。年次で透明性レポートを公表。

BODY 03

不服申立委員会

外部の弁護士・元裁判官で構成。企業からの訂正要求・公開差止請求を独立に審理し、結果と理由を公開する。

VIII.
直近30日

ビジョンを、
動く形に落とす30日。

WEEK 1 · アーキテクチャ確定
  • · データモデルv1(企業/業界/取引/価格点/出典/編集履歴)
  • · EDINET API 連携プロトタイプ
  • · 顧問弁護士候補 3名アプローチ
  • · 編集評議会候補リスト 20名
WEEK 2 · 上場企業IRレイヤー β
  • · 有報→構造化パイプライン MVP
  • · 4,000社の粗利率自動算出
  • · 業界中央値マップとの突合
  • · 反論枠UIプロトタイプ
WEEK 3 · 建設業ウェッジ
  • · 公共工事 落札・積算データ収集
  • · 重層下請けシミュレータ
  • · 国交省CCUS連携の可能性
  • · 元従業員ヒアリング 5名
WEEK 4 · 公開・プレス
  • · 上場企業IRレイヤー β公開(100社)
  • · プレスリリース「民間版・公正取引委員会、立ち上げ」
  • · 消費者団体・経済記者向けブリーフィング
  • · 編集評議会 第1回会合
最終ゴールは、価格を是正し、
消費者の可処分所得を取り戻すこと。

中抜き図鑑が成功すれば、業界は「説明できる価格」を強いられ、市場全体の透明性が上がり、消費者は同じ生活に対し年間数十万円の節約が可能になる。 これは社会インフラとしての成功指標であり、同時に¥150B事業としての成立条件でもある。